ノーベル物理学賞にニュートリノに質量(重さ)があることを証明した東京大宇宙線研究所長の梶田隆章教授(56)が決まった。前日のノーベル医学生理学賞の大村智・北里大特別栄誉教授に続いて2日連続の快挙に日本列島は沸きに沸いた。
宇宙の成り立ちや物質の起源を解明する手がかりになるニュートリノは、どんな物質でもすり抜けてしまうために観測や実験研究が難しいとされてきて、ついたあだ名が「幽霊粒子」。そのニュートリノをはじめて観測に成功し、ノーベル賞を受賞したのが小柴昌俊・理学博士で、その教え子だった故戸塚洋二東京大教授と梶田教授の2人がニュートリノの質量の存在を証明した。
「スーパーカミオカンデ」で見てると時たまコツンと・・・
東京大宇宙線研究所にいた梶田教授と「とくダネ!」が中継でつながった。
司会の小倉智昭「宇宙や物理学を研究するきっかけは何だったんですか」
梶田「研究生活を意識したのは、基本的には大学院に入った時ですよ。私の場合は、非常に幸運なことに小柴先生の研究室に入りまして、カミオカンデの準備やそれを使った研究に入り、研究に引き込まれていきました」
小倉「物質を構成する物質の中で一番小さいニュートリノって、目に見えないわけですね。振動することで質量があると証明できたのが受賞のきっかけになったわけですが、目に見えないものが振動するってどうしてわかるのですか」
梶田「ニュートリノ自身はわれわれにも見えないんです。ニュートリノはほとんどの物質を突き抜けていくんですが、たまに物質の中で何かにゴツンとぶつかり別の粒子が出てくる。その出てきた別の粒子をはかることで、こういう種類のニュートリノが来たんだなと知ることができるんです。スーパーカミオカンデという1万個以上の目を持った装置で観測すると、いかにも見えたように感じることができます」