大阪府八尾市の市立大正中学校の体育祭で先月27日(2015年9月)、組み体操の「10段ピラミッド」が崩れ1年生の男子が右腕を骨折したが、この学校ではおととし(13年)、昨年(14年)も事故があり、計8人が骨折していた。
体育祭本番と練習中も含め、おととしは練習中に2人、昨年は本番に1人、練習中に3人、今年は本番、練習中それぞれ1人が骨折した。なぜ繰り返されたのか。
参加生徒157人、高さビル3階、一番下の生徒に200キロ荷重
横川一敏校長は「今年は教員の配置を増員し臨みましたが、危険性を認知するところが甘かったと思っています」と語るが、練習で1度も成功していなかったという。生徒の中にも「1回も成功していないのにできるかな」と心配する声があった。
八尾市の大正中の10段ピラミッドは人数157人、高さ6メートル(ビルの3階相当)、重さ180~200キログラム(1番下段にかかる重さ)だそうだ。組み体操に詳しい名古屋大学の内田良准教授は、崩れてくるのは中からはじまるので、先生が周りを囲っても意味がないと指摘する。
事故が続くのになぜやめられないのか。内田准教授によると、先生も保護者もやりたいという声が多いという。先生たちは「生徒たちをまとめているとアピールできる」といい、保護者たちは「頑張っている姿に感動したい」といっている。
やりたがるのは先生と保護者
司会の羽鳥慎一「お子さんのいる浜田敬子さん(「アエラ」編集長)、どうですか」
浜田「生徒たちが終わったとき、涙を流してハイタッチするのを見ると、たしかに子どもたちも感動しています。先生と保護者だけでなく、生徒たちの声も聞いたらどうでしょうか」
羽鳥「生徒たちの団結心の感動と危険でないこと。この両立をさせることができないでしょうか」
青木理(ジャーナリスト)「たとえば、ドッジボールも危ないという議論もあります。完璧に安全なことはありませんが、常識にいって10段、9段というのは、けがしますよ」
玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「そうすると、3段になると感動がなくなります。危険でないと感動しないんですよ」