特許料などで美術館を寄贈―「気取らず鑑賞」と隣に温泉とそば店
イベルメクチンの開発は帰国後、研究費の確保のため製薬会社を回っているなかから生まれた。はじめは寄生虫薬として家畜用に広く使われ、特許料など200億円以上は北里研究所に入れた。北里大の白金キャンパスには、盲目の人を杖で先導するアフリカの少年の像がある。大村さんの功績を称えてアフリカの彫刻家がつくったものだという。
大村さんは美術品の収集家としても知られ、5億円ともいわれる絵画などを収蔵する「韮崎大村美術館」を07年に韮崎市に寄贈した。「気取らず美術鑑賞を」と、横に温泉とそば店も開いた。郷土が生んだ飾らない英雄だ。
大村さんの功績について、科学ジャーナリストの寺門和夫さんは「イベルメクチンは抗生物質だが、見つけるのが大変。あちこちで土をとっては分析・培養を繰り返して、40年前に見つけた。それが寄生虫の特効薬になっているのです」と話す。
寺門氏が大村さんの言葉を紹介した。「人のために役立つことをたえず考えて来た」。これは祖母の教えだという。もうひとつ、「私は××をしない。××をしたらそこで終わりというのもあります。さて何でしょうか」
沢松奈生子(元プロテニスプレーヤー)「パクリ?」
寺門氏「はい。研究は独創性です。とくに新しい事をするには」
いや、研究に限らないよ、それは。
文
ヤンヤン