「名張毒ぶどう酒」奥西勝死刑囚死亡!弁護団と妹「再審請求続ける」

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   54年前、三重・名張で起きた毒ぶどう酒事件で、死刑確定後もえん罪を訴え、再審請求を重ねていた奥西勝死刑囚がきのう4日(2015年10月)午後、八王子医療刑務所で肺炎のため死亡した。89歳だった。再審請求は9次にもなる。そのことごとくを退けて来た裁判所と検察は、いったい何を守ろうとしているのだろう。

供述調書の証拠能力めぐって「無罪」から「死刑」に一転

   事件は1961年だった。寄り合いでぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡、重軽症12人を出した。ぶどう酒から農薬が検出され、農薬を入れることが可能だった奥西が逮捕された。死亡者には奥西さんの妻と愛人が含まれていたため、三角関係の清算が動機とされた。

   奥西は取り調べの段階でいったん犯行を認めたが、裁判では一貫して関与を否定した。一審の津地裁は取り調べ段階の供述を証拠と認めず無罪、二審の名古屋高裁は逆に供述を証拠採用して死刑判決という極端な結果になった。証拠や鑑定をめぐるはげしい応酬もあり、最高裁まで争った末の72年、上告棄却で死刑が確定した。

   奥西は死刑確定後もえん罪を訴えて再審請求を出し続けた。05年に名古屋高裁は「自白には疑問がある」として再審開始を決定したが、翌年に別の裁判長が検察の異議を認めて取り消すという奇妙な経緯もあった。

文   ヤンヤン
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