26日の土曜日(2015年9月)午後1時ころ、東京メトロ・有楽町駅の地下通路で、ベビーカーに乗った1歳の男の子がいきなり男に頭を殴られた。母親の悲鳴で近くにいた父親が男を取り押え、警察に突き出した。防犯カメラにも写っており、警視庁は64歳の男を暴行容疑で逮捕した。「ベビーカーが邪魔だった」と供述しているという。
国土交通省も利用ガイド
「ピンナップ」コーナーで、実際にベビーカーで嫌がらせを受けたことがあるかを街で聞いた。「視線を下にして舌打ちとか、邪魔だなといわれる」「バスの混む時間にぶつかり、男性だけでなく女性からも迷惑そうな視線」「エレベーターに並んでいたら、『邪魔だよ』『どいて』とか」という声があった。54人のママに聞いた結果では、トラブルにあったのは12人だけで、42人は「ない」という。
電車内で「通れないじゃないか」と怒鳴られたというお母さんは、「エレベーターがないところで、階段なんかで持ってくれる人がいた」と話していた。トラブルより助けられた方が多いかもしれない。
「ラッシュアワーに電車に乗るのはどうかと思う」「ベビーカーを畳むのは無理。荷物もって赤ちゃん抱いて、大変ですよ」「すみわけが必要だね」
国土交通省などが昨年3月に出したガイドでも、双方の理解を求めている。まあ、そうしたものだろう。
松嶋尚美「優しくしてくれる人も多いですよ」
松嶋尚美(タレント)「優しくしてくれる人も多いですよ。エレベーターでおじさんが『乗せたって』といってくれたときはほろっとした」
宇野常寛(評論家)「ベビーカーを排除しろという意見が出てくること自体が信じられないですね。お母さんがまともに電車に乗れない状態で、子育てができるわけがない。むしろ、エレベーターのない駅が多い。ベビーカーだけじゃなくて、高齢化にも対応できなくなってます」
おおたわ史絵(内科医)「ベビーカーも車イスも同じだと思ってます。たしかに邪魔だという顔をする人はいますが、配慮できない心ではダメですよ」
司会の加藤浩次「今回の事件はベビーカーが邪魔とかじゃなくて、64歳の男が1歳の子どもを殴ったことが問題。おかしいですよ」
まったくだ。「邪魔はどっちだ?」といいたくなる。