中国南西部の広西チワン族自治区柳川市できのう30日(2015年9月)、17件の爆発事件があり、7人が死亡、2人が行方不明、51人がけがを負った。地元出身の33歳の男が逮捕されたと地元メディアが報じた。柳川市は観光名所の桂林から南方約130キロにある地方都市だ。
きょう10月1日は中国の建国記念日にあたる国慶節で、大型連休が始まるだけに衝撃が広がっている。
小包に見せかけた爆弾
爆発現場では建物はほとんど壊れ、瓦礫が散乱している。「午後4時からたった数時間で十数回も爆発した」と女性住民が震えている。
爆発は市街地のショッピングセンターやバスターミナル、刑務所、魚市場などで次々と起き、スーパーのロッカーにあった小包が破裂したという情報もある。地元メディアによると、爆弾は配達された小包に仕掛けられたとみられ、当局は市民に郵便物が届いてもむやみに開けないように呼びかけている。
逮捕された男の身元はわかっていないが、国営の新華社通信によると「テロの可能性はない」という。
司会の夏目三久「なぜ広西チワン族自治区で、国慶節前日に起きたのですか」
中国事情に詳しい富坂聰(拓殖大教授)は「犯人の手近なところで起き、北京からは遠いので場所的な意味はないでしょう」と見る。
国のメンツつぶせ
中国では過去にも新疆ウイグル自治区で爆発事件が続き、去年4月にウルムチ駅で80人以上が死傷した。その1か月後にはウルムチ市の市場に車2台が突っ込んで爆発炎上し、31人が死亡、94人が負傷した。
夏目「(チワン族自治区には)そもそも民族対立があるのですか。(建国記念日の前日という)日時の意味はあるのでしょうか」
富坂「民族対立はそれほど深刻なものはかかえていないとずっと言われてきましたが、時期的には目立ちます。人が集まり、警戒に力を入れているところで起きましたから、国のメンツをつぶす意味では目立ちます」
動機や単独犯行か複数犯かを捜査中だ。