三重県伊勢市の雑木林で、高校3年生の波田泉有さん(18)が刺殺されていた事件で、三重県警は29日(2015年9月)、同級生の男子生徒(18)を殺人容疑で逮捕した。「殺してと頼まれた。私がしたことに間違いない」と話している。
警察が駆け付ける前に友人や近親者ら9人が殺害現場に集まっていたが、「女性が倒れている。心臓マッサージしています」と119番通報があったのは1時間半以上も経ってからだった。なにをしていたのだろう。
犯人同級生のLINEでぞろぞろと9人が現場に
波田さんは伊勢神宮外宮から3キロ北にある「虎尾山」(標高50メートル)の記念碑脇で仰向けに倒れていた。左胸に深さ数センチの刺し傷があり、死因は失血死だった。消防からの連絡で警察官が現場に到着すると、倒れている波田さんを囲むように人がいた。
逮捕された男子生徒、119番通報した波田さんの交際相手の男子生徒、同じ高校に通う男子生徒2人と女子生徒1人、それに逮捕された男子生徒の母親(40代)と知人、波田さんの母親(58)と知人の合計9人だった。
なぜ親や友人たちがいたのか。事件のあった日、波田さんはいつも通り授業に出た後に連絡が取れなくなり、家族や友人が捜していた。そこへ逮捕された男子生徒からLINEで波田さんと一緒にいる居場所に母親や友人を集めるよう連絡してきたという。
近所の主婦は母親や友人らがぞろぞろと虎尾山に登っていくのとにすれ違っており、「スーパームーンの夜で月を見るために登って行ったと思った」と話している。時刻は28日午後8時ごろだったという。通報があったのは午後9時43分だ。