大人気おばあちゃん2人「シャーリー&ヒンダ」大学教授や世銀も直撃「聞きたいことあるの」

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   アメリカ・シアトルの片田舎に住むおばあさん2人を主役に、彼女たちを2年間追い続けたドキュメンタリー映画が大人気になっている。ともに電動車いすで動き回る92歳のシャーリーと86歳のヒンダで、映画にはまったくの素人だが、生のままの生活記録に「元気が出る」というのだ。

   楽しく老後を過ごしていた2人は、孫との会話から「経済成長」について考え始める。「財政再建の失敗で米国経済は破綻」という新聞の見出しを読んだ孫に「わかる?」と聞くと「わかんない」。「未来は幸せか」を孫にどういったらいいか。これが始まりだった。2人は答えを探し始める。

   パソコンの使い方から学んで、さらに大学の授業に出たが、質問したら教授は「質問は受けない」とそっけない。さらに口を開くと、教室を追い出されてしまった。世界銀行に電話する。「問い合わせはメールで」「あら、人間と話すことはできないの」。電話は切られてしまう。すると、今度は大学教授の自宅に押し掛ける。

2年間追い続けたドキュメンタリー映画!日本でも公開中

   この映画「シャーリー&ヒンダ(ウォール街を出入り禁止になった2人)」がアメリカ、スペイン、スウェーデンなど各国の映画祭で好評を得て、先週から日本でも公開されている。見た人は「変な目で見られても、2人で笑って前に進むところが素晴らしい」「同じくらいの歳だと思いますけど、行動力がすばらしい」

   2人は「レイジング・グラニーズ」というおばあちゃんだけのNPO団体に所属して、さまざまな活動をしていた。これに目を付けたのがドキュメンタリー映画のホバルト・ブストネス監督だった。「2人の掛け合いがあまりにも面白くて」という。

   シャーリーは「撮影中はすべて即興でした。セリフを覚えることもありません。私たち自身の中から出て来たものです」と話し、ヒンダも「カメラは気にならなかったんだけど、一番ショッキングだったのが、ウォール街でのディナーでした。会場の警備員がとっても失礼だったの」という。

   財界のディナー・パーティーに潜入したシーンだ。シャーリーが壇上で「どうして成長が必要なんですか」と質問すると、警備員に追い出されてしまう。警備員は「心臓発作でくたばれ、このクソババアが」と罵声を浴びせ、「あなたの名前は?」と聞くと、「醜いババアめ、くたばるがいい」

   何があっても諦めない元気の原動力は、「世界を良くしたいという決意の賜物です。孫やひ孫の世代のために活動しているんです」(ヒンダ)と話す。いや、すばらしい。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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