<ナポレオンの村>(TBS系)
限界集落を再生したい!スーパー公務員の奮闘に喝采・・・悪者議員の実在モデルだれだ?ノンフィクションが原作

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   都庁から派遣されてきたスーパー公務員・浅井栄治(唐沢寿明)が、行動力と奇抜なアイディアで限界集落を再生させようと奮闘する。日本の原風景のような神楽村の美しさに魅了される浅井、産業廃棄物を受け入れるため廃村にしようと目論む市長の福本(沢村一樹)の対立が見どころの1つだ。

ブランド米、地底湖ツアー、婚活パーティ、滝壺レストラン・・・次々実現

   福本の妨害を受けながらも、浅井は「スカイランタン」「神楽米」「滝壺レストラン」「婚活パーティ」「地底湖ツアー」など、次々とアイディアを成功させる。住民との信頼関係も生まれ、観光客も増え、神楽村は活気を取り戻す。

   6話では、村を再生させた立役者として福本市長が注目を浴び、廃村計画はままならない状況になっていく。そんな福本を地元の議員・国枝(大和田獏)は罵り、計画を推し進めるように迫る。

   さらに、ネットに「神楽米は偽装米」「地底湖ツアーのずさんな管理」などという悪意に満ちた記事が書かれ、観光予約のキャンセルが相次ぎ、村は窮地に追い込まれる。噂を流したのが福本市長だという記事が載り、詰めかけた報道陣を前に記者会見という流れで、最後に浅井と福本は和解する。めでたしめでたしかと思うと、浅井の幼馴染で、一番の協力者のコンサルタント会社経営者の戸川真人(山本耕史)がなにやら不穏な動きを始めた。

個性的な役者たちが元気な村民や役所職員

   オリジナル脚本だが、「ローマ法王に米を食べさせた男」(高野誠鮮著)という原作がある。小説ではなくノンフィクションということで、本当にこんなにあくどい市長がいのだと気になる。浅井をスーパー公務員に描くのはいいが、対立する福本市長を悪者に描き過ぎて、モデルにされた市長からクレームが来るのではと心配してしまう。

   まあ、最後は改心するということでバランスがとられるわけだが、今度はそれもこれも国枝議員が悪いということになる。国枝議員のモデルになった議員もいるのでは? 大和田獏の悪人ぶりがよかっただけに、悪者議員のイメージが強烈に残る。

   実在の人物かどうかでいえば、市長の秘書・甲田千秋(橋本マナミ)の存在も気になる。あんな色気ムンムンな秘書がいるだろうか。しかも市長に惚れているのは明らかで、不適切な関係なのではと疑いたくなる。

   浅井の監視役から味方につく岬由香里(麻生久美子)、課長(ムロツヨシ)、喜多文夫(岩松了)、馬渕健介(浜野謙太)ら個性豊かな市役所職員がいて、村の地主・菰田孝三郎(イッセー尾形)、洋吉(谷隼人)、源治郎(星田英利)、タミ(茅島成美)、キヨ(五月晴子)ら、幅広い年代、個性的な出演者が揃っており、楽しいドラマになっている。なにより、限界集落が再生する様子を見ていると、こちらにも元気が伝わってくる。

   「世界陸上」のために放送がない週が続き、全7話で終了するのはもったいない。20日の最終回、どんなかたちで終わるのか、見届けようと思う。(日曜よる9時)

くろうさぎ

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