個性的な役者たちが元気な村民や役所職員
オリジナル脚本だが、「ローマ法王に米を食べさせた男」(高野誠鮮著)という原作がある。小説ではなくノンフィクションということで、本当にこんなにあくどい市長がいのだと気になる。浅井をスーパー公務員に描くのはいいが、対立する福本市長を悪者に描き過ぎて、モデルにされた市長からクレームが来るのではと心配してしまう。
まあ、最後は改心するということでバランスがとられるわけだが、今度はそれもこれも国枝議員が悪いということになる。国枝議員のモデルになった議員もいるのでは? 大和田獏の悪人ぶりがよかっただけに、悪者議員のイメージが強烈に残る。
実在の人物かどうかでいえば、市長の秘書・甲田千秋(橋本マナミ)の存在も気になる。あんな色気ムンムンな秘書がいるだろうか。しかも市長に惚れているのは明らかで、不適切な関係なのではと疑いたくなる。
浅井の監視役から味方につく岬由香里(麻生久美子)、課長(ムロツヨシ)、喜多文夫(岩松了)、馬渕健介(浜野謙太)ら個性豊かな市役所職員がいて、村の地主・菰田孝三郎(イッセー尾形)、洋吉(谷隼人)、源治郎(星田英利)、タミ(茅島成美)、キヨ(五月晴子)ら、幅広い年代、個性的な出演者が揃っており、楽しいドラマになっている。なにより、限界集落が再生する様子を見ていると、こちらにも元気が伝わってくる。
「世界陸上」のために放送がない週が続き、全7話で終了するのはもったいない。20日の最終回、どんなかたちで終わるのか、見届けようと思う。(日曜よる9時)
くろうさぎ