「経済的徴兵制」学費援助エサに理工系学生リクルート
防衛省は大学理工学部を対象に、学費援助の見返りに自衛隊員の募集をしており、経済的徴兵制と批判される勧誘を実施している。田坂教授はこの点ついても「最悪の話」とこんな指摘する。
「経済的徴兵は柔らかく聞こえますが、これは最悪の話です。米国のケネディ元大統領も戦争に行っている。意思決定する人がちゃんと経験をし、身内に被害が及ぶと分かったうえで判断しているんです。一番怖いのは戦争に行く人と意思決定する人間が分かれることです。今、格差社会に向かっているなかで、貧乏な人が戦う側に行かされ、何の被害を受けない方々が意思決定する構図が国のあり方として一番危ない」
太平洋戦争の激戦地だった南の島には、今なお兵士たちの遺骨が野ざらしになっている。東条内閣時代、救援船の派遣を断念し見捨てた結果、玉粋せざるを得なかった兵士たちだ。遺骨を何とかしようという声すら上げず、人が見ているときだけ靖国参拝。これでは公共の福祉のための徴兵と言われても国民は簡単に応じられないだろう。
文
モンブラン