日本の高校生の72.5%が「自分はダメな人間だと思うことがある」と感じていることが、国立青少年教育振興機構の調査(2015年8月27日発表)でわかった。1850人を調査した結果で、同じ調査で韓国の35.2%、米国の45.1%、中国の56.4%と比べて飛び抜けて高い。
「いろんなことがうまくいかない」「スタイルも顔も性格もダメ」
街で実際に「自分をダメな人間だと思うことがありますか」と聞いてみると、「あります」「もう、しょっちゅう。クラスをまとめられなかったりとか」(高1女子)、「だらしないんで、いろんなことがうまくいかない」(高3女子)、「スタイルも顔も性格もダメ。すぐにカッとなったりして気分屋といわれる」(高2女子)といった答えが返ってきた。
なかには、「自分の良いところはいっぱいある。ポジティブに考える」(高1女子)という若者もいたが、50人に聞いたうち37人が「ダメ人間」と答えた。機構の調査と一致する。
なぜ、かくもネガティブ思考なのか。機構の研究センター長の明石要一氏は「日本の高校生はシャイで控え目。アメリカも中国も韓国もはっきりものを言う習慣ができています。日本は自分を主張するのが苦手なんです」と見る。
大人との関係でも、「小学校低学年までは親からすごく誉められるのに、中学、高校になると、家庭と学校で誉められるチャンスが減ります。それが日本の高校生の自尊感情の低さを左右しているのでしょう」という。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト