五輪エンブレムもトートーバックも仕掛けは電通ディレクター!審査委員に知らせず佐野案修正?

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   五輪エンブレム盗用問題はサノケン(佐野研二郎)が取り下げることでいったんケリがついたかと思ったが、彼がホームページ上で「誹謗中傷、人間として耐えられない限界状況」と書き込んだことで、「いつから被害者の仮面をかぶった」(『週刊新潮』)のか、「被害者強調で火に油」(『週刊文春』)と攻撃の手は緩まないようだ。

   当然ながら、五輪組織委員会の森喜朗会長や武藤敏郎事務総長は、国立競技所問題に続く不祥事の責任をとって辞任せよという声も日増しに大きくなってきている。週刊新潮では、エンブレム選出の経緯に不透明な部分があると、その時の審査委員の一人が匿名を条件にこう話している。<「今回のエンブレムの選出の経緯はコンペの名を借りた不当な選出方法であったと言わざるを得ない」>

   なぜなら、審査委員への報告がないまま森氏と武藤氏が、佐野氏に2度も修正を依頼したといわれる。そのことが事実なら、最終案は専門家ではないこの2人によって方向付けられたもので、何のために審査委員が集まってデザインコンペをやったのか。<「これは完全なるルール違反で、不当なコンペです」(先の審査委員)>

   審査委員が「修正」の事実を知ったのは発表直前だったというのである。審査委員は8人だが、その中に1人だけこの修正について把握している人間がいた。大手広告代理店「電通」社員の高崎卓馬氏(45)で、彼は五輪組織委員会のクリエイティブディレクターでもある。審査委員の人選を決めたのも彼だと、先の審査委員が話している。

   また、週刊新潮によれば、エンブレム発表後に、サントリーの「オールフリー」キャンペーンで使われたトートーバックの「盗作疑惑」が持ち上がったが、この広告を担当していたのも高崎氏だという。

   エンブレム審査は制作者の名前を伏せて行われたが、審査委員の中には佐野氏の作品と気付いた人もいたようだが、問題はそれよりも修正が審査委員に無断で行われたことである。

   <「電通社員、組織幹部、審査委員という3つの顔を持つ高崎氏には,佐野氏の案を『出来レース』に乗せなければならない理由があったのではないか」(同)>

   週刊新潮はこう指摘するに止めているが、国家的なプロジェクトに電通が一枚噛むのはよくあることだが、今回の場合、高崎氏と佐野氏が顔見知り以上の間柄であることは推察できる。

   最初から何としても佐野案を採用させるために、高崎氏が審査委員に知らせずに佐野氏に修正させたのではないかという「疑惑」は残る。高崎氏は週刊新潮のこの指摘に答える「説明責任」があると、私も思う。

下流老人まっしぐら!「息子が失業」「結婚しないパラサイト娘」で老後暮し番狂わせ

   今週の『週刊ポスト』は「失業息子、行き遅れ娘と同居すると『老後破産』!」「親の骨を『捨てる人々』が増えている『下流老人』のあまりに哀しい末路」と2本も下流老人ものをやっている。

   年金生活でカツカツの暮らしをしてきた高齢者が、子供が失業したり、結婚しない娘が家に帰ってきたりすると、年金が減らされ、あっという間に下流に落ちていくケースは数多い。また、親が死んでも納骨できずに、神社や寺院の境内、電車の網棚に遺骨を置いて行ってしまうケースもこのところ増えていると週刊ポストは書いている。貧困層は間違いなく広がってきているのだ。明るい老後など夢のまた夢か。

   そんな心が落ち込んだとき、私には口ずさむ歌がある。永田和宏著「人生の節目で読んでほしい短歌」(NHK出版新書)で知った築地(ついじ)正子の「のび盛り生意気盛り花盛り 老い盛りとぞ言はせたきもの」という歌である。

   クヨクヨして生きても一生なら、いまは老い盛りと胸を張って生きるのも一生。週刊ポストのように「死ぬまでSEX」とはいかないが、自分の好きなことだけを好きなだけやって生きてみたいと思っている。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める。
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。
【著書】

編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか
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