鬼怒川の堤防決壊現場で、「とくダネ!」取材班は濁流にのまれた男性を救出した。きのう10日(2015年9月)午後6時過ぎ、茨城県常総市の様子を取材していると、「戻りなさい!」「戻りなさい!」という救助隊の怒鳴り声が飛び込んできた。怒声の先に目をやると、濁流の中に人の頭らしいものが見える。
カメラマン「あそこを見てください。人が流されています」
顎から下は水に浸かり、かろうじて頭だけが水の上に出ている状態だ。濁流に流されているため、浮き沈みしている。
浮き沈みする頭部
菊池大輔ディレクター「先ほどまで見えていたんですが、いま見えなくなってしまいました。カメラさん見えますか」
カメラマン「見えない」
取材スタッフのいる場所からおよそ50メートル先で、直接救助するわけにはいかない。上空にヘリコプターが飛んでいるが、流されている人に気づいてないらしい。菊池ディレクターが近くにいた人の持っていた赤色灯をヘリに向かって振り始めた。「ここに人がいます」という合図だ。それでもヘリは気づいてくれない。
スタッフは男性に向かって「手を振り続けてくださあい。頑張ってください」と声を掛ける。この声に勇気づけられたようだ。こっちに向かって手を振っている。発見から40分。周囲はさらに暗くなってきた。スタッフは撮影用の照明を男性にあててヘリに位置を知らせ、励まし続けた。