記録的な大雨できのう10日(2015年9月)、茨城・常総市で鬼怒川の堤防が決壊して多数の家屋が流され、11日朝までに22人が不明となっていることがわかった。
利根川、鬼怒川流域では平年9月の1か月の雨量の2倍もの猛烈な雨が降った。鬼怒川では10日午前2時20分に「避難指示」が出され、茨城県の「大雨特別警報」は7時45分に出されたが、その前の6時半にはすでに氾濫発生が伝えられていた。鬼怒川は流域全体で水位が堤防すれすれの満杯状態にあった。
「スッキリ!!」総出で現場取材!一人トンチンカンな加藤浩次
午後0時50分、常総市で左岸堤防が20メートルにわたって切れた。濁流が一気に住宅や田畑に流れ込んだ。水流は凄まじく、木造家屋を次々に押し流し、逃げ遅れた人たちがあちこちで助けを求める姿が映像で捉えられた。
自衛隊のヘリで釣り上げられた直後に家が流されたり、逃げ場を失って電柱にしがみつく男性の姿、水没したスーパーでは客や従業員約100人が2階で孤立した。状況の把握も困難ななか、自衛隊のヘリとボートが大活躍した。
上重聡キャスターがヘリで常総市の上空から伝えた。阿部祐二レポーターは避難所、中山美香レポーターが鬼怒川左岸、天候が回復してからは、決壊現場に藤田大介アナと、「スッキリ!!」スタッフ総動員だ。ヘリ中継は全体状況の把握がカギなのだが、上重のレポートは要領を得ない。そこへ司会の加藤浩次が「救助を待ってる人はどれくらいいますか」などと、ヘリにわかるはずがない質問をしたりする。
地上のリポーターも「水がここまで」「かなりの勢いて流れています」など、映像を見ればわかるようなことしかやらない。藤田のリポートはかなり的確だったのだが、加藤は現場の様子を把握できないらしく、対岸にいる中山に決壊場所を聞いたりしている。この男、災害の現場中継放送ではいつもこうなのだ。報道の経験がないキャスターに緊迫した事件・事故を担当させることに無理がある。
防災研究センター長「堤防整備がまだのところがやられた」
東で雨が止んでも、雨域はどんどん北へ動いていた、仙台が一番ひどかったのは午前2時過ぎで、1時間に50ミリ。ここには大竹真レポーターがいた。ここでは渋井川、吉田川などが氾濫していた。
氾濫と堤防決壊について、広域首都圏防災研究センター長の片田敏孝・群馬大教授は「堤防整備がまだのところがやられた」という。国の整備計画はあっても、全国を整備するのには時間がかかる。さらに、避難指示の出し方(今回は夜中だった)、地形や家屋の造りなどを考えて住民も自主的に判断する必要があるという。