司法試験の試験問題が漏洩した疑いがあるとして、考査委員の明治大学法科大学院・青柳幸一教授(66)が刑事告発された。この日はちょうど合格発表の日で、発表を見に集まった受験者たちにもこのニュースは衝撃だった。
法務省によると、青柳教授は大学院を終了した教え子の20代の女性に問題を漏らし、模範解答まで教えていた。教授と女性は事実を認めているといい、法務省は8日(2015年9月)に青柳教授を考査委員から解任し、国家公務員法(守秘義務)違反容疑で東京地検に告発した。女性は採点対象からはずし、今後5年間、司法試験の受験を禁止する行政処分を出した。
青柳幸一教授の模範解答に酷似
青柳教授は慶応大出身で専門は憲法学。レベルの高い研究で知られており、02年から司法試験の考査委員を務め、4年前から明治大学で教えていた。
なぜ漏洩がわかったのか。当事者の2人が黙っていればわからないはずである。「できが良すぎた」のを疑われたのだ。法律の実務ではあまり関わることがない憲法に関する論文で、女性の回答は完璧で、青柳教授の模範解答に似ていた。模範解答は考査委員が共有しており、不審に感じた別の考査委員が法務大臣に通報した。
女性が青柳教授の教え子であることがわかり、事情を聞いたところ、漏洩を認めたという。
折しも合格発表の日・・・「こっちはまじめに勉強してるのに」
司会の加藤浩次「対象は1人だということですが・・・」
犬山紙子(コラムニスト)「きっちり調べてもらいたいですね。司法試験はみな何年も勉強しているのだし、公平で当たり前です」
加藤「この教授、100点の問題(800点満点)を担当していたんですね」
法曹界にも衝撃だろう。合格発表の場でも「真面目に勉強しているのに、腹が立つ」「何よりも公平でなければいけないところで」などという声が聞かれた。試験に携わる考査委員と教職者を別にしないとという声もある。これがおそらく正解なのだろう。