神奈川・川崎市の老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で昨年(2014年)暮れ、高齢の入居者3人が相次いでベランダから転落して死亡したことについて、調査をした川崎市がきのう7日(2015年9月)に会見して、「不自然だ」と指摘した。他にも虐待などの情報があり、警察は転落を事件と事故両面から調べ始めた。
同じ時間帯、同じ場所に3人が転落
Sアミーユ川崎幸町では昨年11月4日に87歳の男性が4階のベランダから落ち、1か月後の12月9日にも86歳の女性がベランダから落ちた。さらに、12月31日にも96歳の女性が6階のベランダから落ち、いずれも死亡した。
2か月足らずの間に3人も転落死とは不自然だが、その3人が落ちた場所や時間帯が同じだった。落ちた場所は庭や植え込みで周囲から見えにくい。2人は自室からだったが、3人目の女性が落ちたベランダは自室ではなかった。
落ちた時間帯も午前2~4時とほぼ同じだ。隣家は大きな声で「そんなこというんじゃねえ」などとやりあうのを聞いていた。直後にモノが落ちる音がして、救急隊員が駆けつけたという。
転落死があった日の当直職員は、3日とも同じ20代の男性だった。この男性は5月に別のトラブルで懲戒解雇されていた。「スッキリ!!」はおとといときのう、この男性を取材していた。男性は「関与」を聞かれ、「当直していたのは事実です。『関与』というのがどういう意味かわかりませんが、『それは』全くしていません」と話す。「それは」というのは、突き落としたということなのだろうか。
ホーム側はあくまでも事故だとしているが、問題のベランダの手すりは高さ1・2メートルあり、死亡した男性の身長は1・6メートル、女性はともに1・4メートルだった。ホーム側は死去した86歳の女性の家族に「イスに乗って手すりを越えた」と話したという。しかし、3人は要介護2と3で、自分でイスを運ぶのはまず無理だ。専門家は「要介護2の認知症で、アクティブな人なら転落の可能性はあるが、立て続けというのは考えにくい」という。
3月にも浴室で水死!日常茶飯だった暴行や虐待
川崎市の会見ではこのほかにも数々の不祥事が明らかになった。3月には83歳の男性が入浴中に水死し、5月には職員が入居者の所持金数万円を盗んで懲戒解雇されていた。6月には家族の隠しカメラで85歳の入居女性への虐待が発覚した。職員は「死ね」「死んじまえ」などの暴言を浴びせ、頭を叩くなどを日常的に行っていた。川崎市は監査に入り、改善通知を出して4人の職員が自宅謹慎や配置換えなどになった。家族は「人質に取られているようなもので、虐待があっても言い出せなかった」という。
司会の加藤浩次「以前から虐待もあったわけですよね。3人もなくなっているのに、ホームの対応はちょっと遅いなと思いますね」
ロバート・キャンベル(東京大大学院教授)「最初は事故だと思っても、次が起こったら当然考えないといけないですよね。警察も調べないといけない」
加藤「警察は事件、事故両面から調べているということです」
事故なら調べない。男のいう「それ」が問題なのだ。