鬱陶しい存在だが安心感あったかつての親
国谷裕子キャスター「なぜ子供たちは深夜出ていくのでしょうか。どういう心模様なんでしょうか」
スマホ依存など子どもの実態に詳しい筑波大の土井隆義教授は次のように答えた。「子どもたちは親と衝突して出て行くのではありません。一般論ですが、昔と比べて親子関係は今の方が良くなっています。ただ、注目しなければならないのは、親と子の関係がタテの関係でなく、今はヨコの関係になっている。タテの関係では親は鬱陶しい存在だが安心感があったのですが、フラットの関係では子どもの方から一方的に依存できないんですね。安心感が昔に比べて低くなっているのでしょう」
大人には見えにくくなっている子どもたちとどう向き合っていけばいいのか。国谷キャスターの疑問はなかなか解けそうにない。携帯電話で繋がっているから安心というのは錯覚でしかないことは、今回の事件で分かったはず。殺害された2人の家庭事情について触れなかったためか、焦点がぼやけた。
モンブラン
*NHKクローズアップ現代(2015年9月2日放送「子どもたちの世界に何が~大阪中1遺体遺棄事件~」)