中国が「抗日戦争・世界ファシズム戦争勝利70周年」の大規模な軍事パレードを行った3日(2015年9月)は北京・天安門広場には真っ青の空が広がり、アメリカ本土を攻撃できる大陸間弾道ミサイル、空母艦載機が次々披露され、一糸乱れぬ見事な行進が行われた。しかし、その裏側では兵士たちの過酷な訓練やうんざりするような市民への規制があったようだ。
まばたき禁止40秒、3時間不動の猛特訓
舞台裏ではどんな特訓があったのか。北京市郊外に天安門広場を模した舞台を作り、6月初旬から連日行われたという。歩行訓練は8000キロ(東京‐ロサンゼルス間に匹敵)に及んだ。習近平国家主席が閲兵のため車で通過する間はまばたき禁止40秒間、立ったまま3時間不動が叩き込まれた。
パレードの花となった女性兵士は、平均年齢20歳、身長178センチ、大卒以上を条件に、軍歴よりも身長と外見優先で選ばれた。
「パレードブルー」のため工場操業停止、風呂やかまど禁止
パレードブルーと呼ばれる青空も数々の規制の結果だった。市内の走行車両をナンバーで制限し、約1万社に及ぶ工場の操業停止、風呂やかまどでの煮炊き禁止となった。テロ防止のため、公衆トイレを使用するときは事前に氏名や住所、「大」か「小」かを申請しなければならなかった。窓開けも禁止され、開けると狙撃手によって銃撃されるという。
この規制によって物流がストップし、野菜は高騰、経済的には多大な損失が出るらしい。米メディアによると、北京で行われた昨年の「APECブルー」では、生産額で2385億円、企業収益に242億円の損失が出たという 。
中国ではパレードの前後が連休となったため、東京・秋葉原の爆買いに来る中国人観光客も多かった。「モーニングバード!」スタッフが「日本にいて大丈夫?」と聞くと、「その質問に答えなくていいですか。休みができたのはいいことだと思っています」