『SEALDs』リーダーなかなか格好いい・・・「淡々とやっていくことが一番大事」
最近よく「SEALDs」という名を聞く。奥田愛基くんという23歳の若者がリーダーの学生組織で、先月に23日に行われた「安保反対」集会で、安倍首相の国会でのヤジを逆手に取り、「どうでもいいなら首相をやめろ。バカか、お前は」といい放ったことで官邸の怒りを買っているという。
週刊文春によれば、彼は1992年福岡県生まれで、西表島の北にある鳩間島という離島で中学を卒業後、島根県の高校へ進み、現在は明治学院大学の4年生だそうだ。父親は北九州市内でホームレスの支援活動を続ける牧師さんだそうで、NHKの「プロフェッショナルの流儀」で取り上げられたこともあるという。
「SEALDs」のデモのスタイルは一風変わっていて、太鼓を叩きラップのリズムに乗って「戦争するな」「安倍はやめろ」と短いフレーズで盛り上げていく。週刊文春が彼にインタビューしている。いくつか紹介してみよう。
<「(父親について=筆者注)二十年コツコツやってきて、ようやく注目されるようになりましたけど、それまでの孤独な闘いも見ているので。この社会は、タフにやるべきことを淡々とやっていくことが一番大事だと学びました。僕は十四歳で家を出ていますが、何をするにも自分で決めて選んだ道の結果は自分で引き受けなければならないということを覚えましたね」
「安全保障上の戦略はシールズ内でも人によってバラバラです。ただ、今回のフルスペックの集団的自衛権の内容は、これまでの憲法と国家の歩みからするとかなりハードルが高いことをしている。それなのに首相補佐官が『法的安定性は関係ない』と発言するほど憲法が軽んじられているから、憲法を守るべきだという点は共有しています」
「(シールズは=筆者注)各班のリーダーを『副司令官』と呼んでいるんです。これはメキシコのサパティスタ民族解放軍というゲリラ組織の影響です。彼らは非暴力で革命を目指しているのですが、そのリーダーのマルコスが自分のことを『副司令官』と名乗っているんです。なぜかと言えば、『人民こそが司令官だから』。それ聞いて、かっこいいなあ! と(笑)」>
いいではないか。反戦活動も政権を倒せ運動も、かつては格好よかったのだ。
60年安保闘争のときの全学連委員長だった唐牛健太郎(かろうじ けんたろう)を調べている佐野眞一氏は、唐牛はすごく格好いい男だったといっている。「ベ平連」の小田実もそうだった。この奥田くんもそこそこイケメンである。安保法制が山場を迎えているが、彼らの反対運動がどこまで盛り上がるか、下流老人も国会へ行ってみよう。