東京五輪エンブレムが白紙に戻って、東京都が作ったポスターやイベント代1億円以上がむだになった。きのう2日(2015年9月)、本庁舎や区役所などに飾られていたポスターやのぼり旗などを一斉に撤去した。できあがったばかりのポスター類だけで4650万円、エンブレムの発表イベントにも7000万円をかけている。
舛添要一知事はきのうジャケットの襟に「五輪招致」で使ったバッジをつけていた。「これを復活させました」。花模様のデザインは悪くない。このままでもいいくらいだ。知事は佐野研二郎氏のエンブレムが入った紙袋と名刺を見せて、使い切るといった。「あるものは使う。むだな金は使わない」
スポンサー企業も自社商品のポスターにエンブレムを入れたり、自社マークとエンブレムを組み合わせたステッカーをつくった。知事がそのまま使い続けるなら、企業も追随できる。次のエンブレムまでのつなぎだ。
今月中に再公募!応募資格緩和して透明化
「選考過程に問題があった」という見方は強い。東洋大准教授でグラフィックデザイナーの藤本貴之氏は「1位を決める前に、徹底した調査が必要。逆にいえば、調査をクリアしたものが選ばれないと」と指摘する。
五輪組織委は佐野氏の原案を選んだあと、似たものがあったなどで2度修正している。藤本氏は「ネットで検索可能なものを調査していないというのは一番の不備だ」という。「佐野氏ありき」だったのではないかという疑惑にもつながる。
また、公募といいながら応募資格には厳しい制限があった。有力な7つの広告賞を2回以上受賞となっていた。応募が104件と少なかったのはそのためだ。審査員8人は多分野の専門性の高い人選だが、審査委員長の永井一正氏は札幌五輪のエンブレムを作ったデザイン界の大御所である。
月刊「宣伝会議」編集長の谷口優さんはこう批判する。「応募した方も審査した方も高名な方ばかりと限られていた。状況をみると、閉鎖的に見えます。密室感があった」。「スッキリ!!」が8人の審査員に取材を申し込んだが、6人は「コメントできない」、2人は連絡がとれなかった。
組織委は今月中にエンブレム案の再公募を行い、公募資格も緩和するという。
また同じこと起きないか?問題は組織委の閉鎖的体質
司会の加藤浩次「ベルギーから始まって、トートバッグとかに話が広がっていった結果ですよね」
おおたわ史絵(内科医)「エンブレムってそんなに重要なのかな。前のオリンピックのエンブレムだって思いだせない。それにこれほどの時間と労力とお金をつぎこむべきかわからない。少なくとも、1位が決まる前に調査すべき。今回は決まってから調査してるからおかしくなった」
坂口孝則(経営評論家)「選定の基準も、撤回の理由もはっきりしない。きっとまた同じことが起こりますよ。ただ、ネットの検索能力はすごいですね」
加藤「ボクは、審査員云々より組織委のような気がする」
そうそう、それは間違いない。