栃木県小山市の市議会が、1日(2015年9月)の定例議会初日から副議長のセクハラ問題で揺れている。5月から副議長に就任した角田良博市議(66)が、50代の市の女性職員から訴えられたのだ。職員の代理人によると、副議長は今年3月に女性職員に「議会事務局に異動できるように頼んでやったんだ。オレが体をはってやったんだ」と頼みもしない異動手続きをし、「二人で食事をしたい」と言ってきたが断った。しかし、副議長はしつこくなるばかりだった。
女性職員に「オレの女になれ」
5月に市幹部と議員との懇親会が開かれた時も、「『青い山脈』をデュエットしたい」と女性職員を隣りに座らせ、背中や腰をなで回し、「ひと晩付き合え」と迫ってきたという。女性職員は「相手が副議長ということもあり、『やめてほしい』と言える雰囲気ではなかった」という。この様子は他の市議も目撃している。懇親会後も「オレの女になれ」と電話をかけてきて、堪忍袋の緒が切れた。
市議会にはセクハラ疑惑を聞いた市民が傍聴に詰めかけ、副議長への怒号が飛び交う騒ぎになった。ここで副議長は青い山脈のデュエットは認めたが、背中や腰をなでるとか、「オレの女になれ」などとは一切口にしていないと否定した。
始末が悪い「セクハラ意識ゼロ」
岡安弥生リポーターによると、取材中も副議長から膝をポンポン叩かれ、「セクハラやっている意識の低い人かなという印象はあった」という。玉川徹(テレビ朝日ディレクター)は「取材に来た女性の膝に触れるなんてこれだけでアウト」と手厳しい。
田坂広志(多摩大大学院教授)「この方はちょっと極端だが、氷山の一角でしょうね。似たような雰囲気はどこの職場にもある。今の常識から見れば明らかにセクハラなのですが、普通にやっているつもりで、セクハラの意識はないんですよ」
地方議員の質の低下は目を覆う状態だ。