猪瀬直樹・前都知事まるで他人事「エンブレム撤回、間にあって良かった」

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   盗用疑惑の出ている五輪エンブレムがとうとう白紙になった。2020年東京五輪組織委員会はきのう1日(2015年9月)、佐野研二郎氏デザインのエンブレム を撤回して再公募すると決めた。釈明する端から次々に出る盗用、流用疑惑に、抗しきれなくなった結果だ。

   午後6時から会見した組織委の武藤敏郎・事務総長は、午前中に佐野氏と話し合い、佐野氏から取り下げを申し出たことを明かした。佐野氏はそこで「いまや一般国民から受け入れられない。五輪に悪影響があるので...。模倣だから取り下げるのではない」と話したという。

   佐野氏は別にコメントを出し、「模倣や盗作はあってはならないし許されないこと。断じてしていない。(誹謗中傷に)もうこれ以上は人間として耐えられない。限界状況だ」といている。

釈明すればするほどボロが出る組織委員会と佐野研二郎

   エンブレムは7月24日に発表され、ベルギーの劇場のロゴに似ていると指摘があったのが、佐野氏は「事実無根だ」として盗用を真っ向から否定した。ところが、その直後にトートバッグを景品にしていたサントリーが、8種類に盗作の疑いありとして取り扱いを停止し、佐野氏の事務所も盗用を認めたことから、話は一気に過熱した。

   組織委は28日、選考の過程を公開して、原案を2度修正しており、オリジナルはベルギーのデザインとは似ていないとしたが、これがまた別の流用疑惑を生んだ。以前に東京で開かれたタイポグラフィの権威、ヤン・チヒョルト氏の展覧会ポスターに酷似していたのだ。

   しかし、佐野氏は「展覧会は見たが、ポスター・バナーは記憶にない」と説明していた。さらに、審査向けにエンブレムの展開例として示した空港の映像が、海外のブログ写真からの転用だったことがネットで指摘された。組織委は展開例は審査委の場なら問題ないが、公開となると原作者の了解が必要という見解で、「それを怠ったのは佐野氏のミスだった」とした。

   組織委の決定はこうした諸々を受けての結果だった。舛添要一・東京都知事は「佐野さんにきちんと説明をしてもらいたい。裏切られたなという感じがする」と非難した。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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