大阪・堺市の丸保山古墳の堀が突然真っ赤に染まった。はて、古代人のたたりか。「気持ち悪いですよ。でもカメが泳いでいる」と近所の主婦は不気味がる。同じようなことが、1か月前には近くの「ニサンザイ古墳」、2年前には大阪城の堀も真っ赤に染まった。正体はいったい何なのか。
外来種のアイオオアカウキクサ
植物分類学者の鈴木武氏によると、堀を真っ赤に染めたのはアイオオアカウキクサという外来種のウキクサだ。夏の暑さに強く、今の季節が繁殖のピークという。寒さに強い北米原産のウキクサと暑さに強い中南米原産のウキクサを掛け合わせ農業用に改良された雑種で、水田で繁殖させると、水温保持や雑草の繁殖を防ぐ効果がある。
どうやら、このウキクサを食べた鳥がタネを運んできたらしい。毒性はなく人体に影響はないとされているが、景観は著しく悪い。ところが、一夜のうちにこのウキクサが消える現象も起きている。兵庫県のダムでは蛾の幼虫がこの草を食べ、その幼虫を魚が食べて水質がきれいに戻ったという。
小松靖アナ「自然の生態系は微妙なバランスでできていますから、外来種導入は生態系への影響をよく考えないと・・・」
文
モンブラン