神奈川・鎌倉市の中央図書館が25日(2015年8月)、いじめなどで「つらい子は図書館へいらっしゃい」とツイッターで呼びかけた。これが3日間で8万回以上のリツイートになった。むろん賛否あるが、いじめと自殺の現実はついにここまできたということだ。
神奈川・鎌倉の中央図書館司書がツイート呼びかけ
このツイートは中央図書館の司書、河合真帆さん(44)が書いた。「もうすぐ二学期。学校が始まるのが死ぬほどつらい子は、学校を休んで図書館へいらっしゃい。マンガもライトノベルもあるよ。一日いても誰も何も言わないよ。9月から学校へ行くくらいなら死んじゃおうと思ったら、逃げ場所に図書館も思いだしてね」
河合さんは「9月1日、2日が自殺が多いという報道を見たのと、アメリカの図書館で『自殺したくなったら図書館へ』というポスターを作った話を思い出して、2学期が始まる直前なので」と理由を話す。
内閣府の調査を見ると、18歳以下の自殺者数は約40年間で1万8000人あり、日付でみると新学期の4月初めと2学期の初めが突出している。とくに9月1日は131人、4月初めと9月2日が90人台で、平均は40~60人だから飛び抜けて多い。
河合さんは「私も学校へ行くのがつらい時期を体験しています。大人でも日曜の夜は憂鬱になったりしますからね。つらいことをかかえている子は、今の時期追いつめられるようなことがあるかもしれない」ともいう。
ツイッターでは「優しい言葉」「涙がでる」「ありがとう」などの声が並び、乙武洋匡(作家)さんも「いいなあ。すごくいい」とツイートした。「解決にならない」「不登校を助長する」などという批判の声も少なくない。
鎌倉市教育委員会は反響の大きさにツイートの削除も考えたというが、「自殺者が少しでも減れば」という河合さんの思いを尊重してそのままになっている。
河合さんは図書館そのものについても、「子どもに限らず、大人もすべての年代の人が気軽に自由に出入りできて、自分の第2、第3の居場所としてくつろいでもらって構わないんですよ、ということが伝わればいいなと思います」と語る。