大阪府寝屋川市の中学1年生男女が殺害された事件で、2人が深夜に徘徊しながらスマホのLINEで友人とやり取りしていたことが注目された。「モーニングバード!」はコメンテーターの尾木直樹(教育評論家)と「スマホの安心に潜むきずな危険の落とし穴」を取り上げた。
「いつでも連絡取れると」親も油断
東京都教育庁のスマホ実態調査によると、スマホを利用している小中学生の81.8%、高校生の大半が無料通信アプリのLINEを使っているという。IDを交換すれば電話番号を知らなくても相手と通話できるという利便性が高いからで、最近は学校の連絡網もLINEが利用されているという。無料のため、親もダメとは言いにくいらしい。中学生の子を持つ母親たちも「中学生になると出かけることが多くなり、連絡が取れるので持ってもらったほうが安心」と話す。
尾木はそれは大きな間違いだという。「子どもがスマホを持っていればいつでも連絡が取れ、仲間と繋がっているので怖くないと錯覚して夜街に出ます。バーチャルでつながっているのに、実感になってしまう。フェイス・ツー・フェイスでないからわからない」と指摘する。
精神保健福祉士の八木眞佐彦氏は、スマホで繋がっていないと不安になる『きずな依存』と呼んでいる。これが高じると、LINEを通じたいじめ、年の離れた大人が入り込んでくる落とし穴に知らず知らずに引き込まれるという。
夜9時以降は使用禁止の動き
尾木「子どもの場合、スマホで繋がっているときは生き生きとしてしまい、時間がたつのが分からなくなっちゃうんですね。スマホに時間を取られるから、成績が必ず落ちます。最近は、受験校の高校ではルールを作り、9時以降はスマホをやめるようになっています」
愛知県刈谷市では、子ども用のスマホを契約する際は、スマホを使う場合は時間を限定、夜9時以降は親が預かるなど親が子どもに約束をさせる指導をしている。
ただし、尾木は「家庭だけの指導ではダメだ」という。スマホを使ったいじめなどのトラブルは学校内で起きており、お母さん方は知らない。学校、家庭ぐるみで指導する必要があると指摘している。