「きのう25日(2015年8月)は、『世界のサニちゃん!』が生まれた日です」
北京の世界陸上のスタジオからアナウンサーの石井大裕が興奮気味に伝えた。男子200メートル予選で、史上最年少出場の16歳のサニブラウン・ハキーム(東京・城西高)が20秒35で100メートル銀メダルのジャスティン・ガトリン(米)に次いで2位で準決勝に進出した。
海外メディアが注目
一番外の9レーンから好スタートで飛び出し、後半ぐんぐん伸び、最後は1人を抜き去った。石井が「どうでしたか、緊張感。この観衆は」と聞くと、「プレッシャーとか、集中しづらかったところもありましたが、自分の走りができたら大丈夫と思っていました」
石井「次は準決勝です」
サニブラウン「泣いても笑ってもすごい舞台。全力で挑みます」
海外メディアも注目だ。通路で記者団に囲まれていると、ちょうど通りかかったガトリンが「サニ! サニ!」とサニブラウンの肩をポンポンと叩き、一緒にカメラに収まった。
サニと握手して、「おめでとう。君を誇りに思うよ」と語り、記者たちに向かって「彼はいい選手だね。後ろからすごいスピードで来たから、僕も少し焦ったよ」。記者から「彼はまだ16歳なんです」と聞かれと、「アメリカではギリギリ運転できる年齢だね」とジョークを飛ばした。
ガトリンが去ったあと、「どんな気分なの?」と聞かれると、16歳の少年は恥ずかしそうな笑顔で「まあ、うれしいですね」
文
一ツ石