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八方に気を使って「ぬえ」になった70年談話!読売ナベツネとは裏約束?

   安倍首相が苦心して出した「70年談話」についても評価は芳しくない。朝日新聞が15日付の社説で「出すべきではなかった」と書いたが、保守系の支持者からも「総理に裏切られた」(週刊新潮)という声が多いそうである。

   日本の侵略を「国際法上明確な定義がない」と明言し、「村山談話と同じものを出すなら、出す必要がない」といっていたのに、「侵略、植民地支配、痛切な反省、心からのお詫び」という4点セットが盛り込まれたため、<捉えどころのない『ぬえ』と評されるのだ>(週刊新潮)

   私も談話を何度も読み返してみたが、総花的で言葉が上滑りしているのはアメリカや中国、韓国に気を使って、自分のホンネを押し隠した文章をでっち上げたからであろう。この一時しのぎの誤魔化し談話で米中韓は騙せても、日本国民は騙されない。「平和主義を堅持」「唯一の被爆国として核兵器の不拡散と廃絶を目指す」、その上「法の支配を尊重」などという文言を平気で使う神経を疑う。

   憲法を蔑ろにし、法治主義を壊そうとしているのはどこの誰なのだと安倍首相にいいたい。

   週刊新潮は、読売新聞の渡辺恒雄氏が社説などで「侵略」を盛り込めと訴えてきていたため、読売グループが安保法制法案の成立に紙面で協力してくれのるならという条件で、侵略という文言を入れたと報じている。

   どちらにしても右も左も、アメリカにも中国、韓国にも気をつかって中途半端なものになってしまった談話だが、安倍首相の体調も影響して闘う気力が湧いてこなかったのではないか。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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