東京オリンピックのエンブレムをデザインした佐野研二郎氏がきのう16日(2015年8月)、別に盗用が疑われているサントリービールの景品バッグのデザインに関して、ホームページで「第三者のデザインをトレースしていたことが判明しました」と、「描き写し」を認めた。スタッフのデザイナーがやったということらしい。
どうなる?法的責任
サントリービールは13日、夏のキャンペーンの景品のトートバッグのうち8点の配布をやめると発表した。バッグは30種類あり、いずれも「佐野研二郎デザイン」が売りだったが、ネットなどにある他のものに酷似しているという指摘が相次ぎ、うち8点について佐野氏の事務所も差し止めを連絡してきた。
ホームページのコメントはこれを受けたもので、ここでいう「トレース」とはデザインのアイデアを固める段階で、すでにある諸々を描き写すこと。そこから独自のアイデアを形にするのが本来なのだろうが、サントリーのデザインではそのものを使ったり、一目で盗用がわかるものが多数あった。
佐野氏は「トレースをそのまま使用することはあってはならないこと。私のデザイナーとしてのポリシーにも反する。社内の連絡体制が上手く機能していなかった」としている。デザイン作成は部下のデザイナーが行っており、佐野氏は監修の立場だったが、「トレースとは想像もしなかった」という。つまりは見逃したということ。
法的にはどうなるのか。コメンテーターの菊地幸夫(弁護士)は、「実際に盗用したのはデザイナー個人になります。佐野さんの配下のデザイナーか、佐野さんになるのではないか」という。