わが心の永遠の恋人、吉永小百合が『週刊朝日』で健気に「戦争はだめ、核もだめ」だというてはる(どこの方言じゃ!)。彼女が原爆詩の朗読会を全国でやっているのはよく知られている。
原爆の後遺症に苦しむ青年との悲劇を描いた「愛と死の記録」(相手役は彼女が結婚を切望したといわれる渡哲也。親の猛烈な反対で泣く泣く別れ、親への反発から15歳も年上でバツイチの男と結婚したといわれている)や沖縄戦で死んだ沖縄師範の女子学生たちのドラマ「あゝひめゆりの塔」、広島で胎内被曝した芸妓のテレビドラマ「夢千代日記」など、原爆や戦争の悲劇をテーマに据えたものも多い。
今は井上ひさしの傑作「父と暮らせば」をベースに山田洋次監督が書いた「母と暮らせば」(2015年12月公開予定)を撮り終えたばかりだという。
「この本(父と暮らせば=筆者注)の冒頭で、広島と長崎に落とされた原爆のことを、日本人の上に落とされただけではなく、人間の存在全体に落とされたものであり、だからまた、あの地獄を知っていながら、知らないふりをするのは、なににもまして罪深いことだと述べています。
人間が人間として生きることも死ぬことも、一瞬にして奪ってしまう原爆は、本当にとんでもないこと。その現実を私たちは絶対に知っていなければならないと思うんですね」(小百合)
ええこというじゃん。彼女は安保関連法案に反対する映画関係者でつくる「映画人九条の会」が出したアピールの賛同者でもある。当然ながら原発再稼働にも反対している。
「あれから(福島第一原発事故=筆者注)4年も経つというのに、いまだに放射性汚染水が漏れているという報道があります。福島の人たちの怒りと悲しみは今でも癒やされることはありません」(同)
そしてこう結ぶ。
「戦後70年を迎えて、広島に、長崎に、原爆を落とされたことを知らない若い人たちが増えています。当然、核の悲惨さも知らない。そんな時代だからこそ、世界中から核兵器をなくすこと、戦争の愚かさと平和の尊さを、私たち日本人はもっともっと語っていかなければいけない」
彼女の口から出る言葉は、われわれサユリストには神の声である。彼女には、ぜひ安倍首相の面前で原爆詩をじっくり朗読してあげてほしいものである。
安倍支持率急落で囁かれる「選挙で自民惨敗」公明党も離反
綻びが目立ち始めた安倍自民党だが、『週刊ポスト』によると、安倍首相は来年(2016年)の衆参同日選挙を目論んでいると見られていたが、このところの支持率の下落を見て、秋にも解散するのではないかと囁かれ始めたそうである。
さまざまなストレスのためか安倍首相の体調不安の噂も絶えない。さらなる不安材料は、公明党の支持母体である創価学会が安保法制への反対を強めていることだ。週刊ポストがいうように、昨年の総選挙を見てみると、多くの選挙区で「票差」は小さく、次点と2万票差以内が60人、2万5000票以内が75人、3万票以内なら94人もいる。
したがって、公明票の半分が離反しただけで100人近くが落選することもありうるのだ。また、無党派層の票は原則「反自民」だし、野党が乱立を解消し、自民党対反自民という構図を描ければ、巻き返しは十分にある。
そこで週刊ポストが政治ジャーナリストの野上忠興氏の協力を得て各選挙区の情勢分析をした結果、自民党は小選挙区で148(現有223)、比例区で55(現有68)と大幅な勢力ダウンになるという予測が出たそうだ。
参院選でも、選挙区で自民党は32(現有38)、比例代表で12(現有12)と目減りするという。この数字を安倍首相が見たら、また持病が悪化することは間違いないはずだ。