昨夜12日(日本時間2015年8月13日午前0時ころ)、中国・天津市の港湾地区の石油タンクが立ち並ぶあたりで火災が発生、炎が広がるうちに2度の大爆発が起こった。現地の消防によると、これまでに17人が死亡、300人近くがケガをしたという。原因などは不明だ。
一夜明けても無気味な煙のかたまり
中国版ツイッターに多くの画像が掲載されているが、当初の火災自体もかなりの規模で、炎がビルのはるか上まであがっていたが、小爆発が起こった次の瞬間、さらに大きな爆発が起きてキノコ雲が立ち上り、離れたところまで衝撃波が及んで、撮影者がふらつく様までが写っていた。
天津市は北京の南東にある人口700万の都市で、かつては満州国への入り口になった港町だ。現在も港湾施設、コンテナターミナルのほか、大小無数のタンクが林立している。新華社通信は「沿岸部の危険物を保管する倉庫が現場か」と伝えている。爆発の映像から、専門家は「液体燃料系の爆発」という。いわゆる「ファイヤーボール」と呼ばれるボール型に燃え広がるのが特徴だ。
北京支局の中村光宏記者によると、死者17人、重体32人、入院283人にのぼるという。中央テレビは現場の遠望映像を流し続けているが、煙は立ちこめているものの火災は収まったように見えるという。
消防隊員の多数が行方不明
司会の加藤浩次「爆発の原因はどう報じられていますか」
中村「まだわからないのですが、火災を出した会社は天然ガスや硫黄など、液体、個体の危険物や可燃物の保管や輸送をしていたということで、何らかの原因で引火したと見られます」
爆発の規模は、1回目の爆発がTNT火薬3トン分、2回目のは21トン分に相当するという。また、爆発で炭化カルシウムが拡散したが、これは水と反応して爆発する恐れがあったため、消火に砂や消化剤を使うなど手間取ったという。消火にあたった消防隊員の多数が行方不明ともいわれる。
現場近くの日本語ができる人の声も入った。それによると、3キロほど離れた場所に住んでいるが、爆発の衝撃は地震かと思うほどで、空がオレンジ色に光ったので爆発とわかったという。巨大な煙のボールのように塊になっていて一向に拡散しない。普通の煙ではなさそうだ。被害が広がらなければいいが。