お盆に先祖の墓にお迎えに行けない人たちのために、インターネットで生中継するサービスが人気だ。青森県八戸市に菩提寺があるさいたま市の92歳の女性は先日、ネット動画で50回忌の供養をした。「お寺の本堂が全部映りました。本当にお寺に行って拝んでいるみたいな感じになりました」と満足そうだ。
住職「高齢、遠方で来られない方から要請多い」
ネット供養の寺の仏壇には住職が1人しかいない。檀家は500キロ離れたところでパソコンの画面を見ながら手を合わす。「母親の体力的な面でちょっと行けないと思い、依頼しました」と長女(66)がいう。
ネット中継を始めた高山元延住職(65)は「遠方で供養のために行けないのでお願いしたいという要請が多々あります。これまでは電話対応でしていましたが、リアルタイムで供養している姿を映し出して、一緒に共有してもらいたいという思いで配信を考えました」と語る。
長女は「お経をあげているところを見ながら一緒に手を合わせれば、行けなくてごめんなさいという気持ちがかなり緩和されると思います」
供花、墓掃除、焼香の代行サービス
司会の夏目三久「供養の様子をインターネットで生中継するんですねえ」
野村修也(中央大法科大学院教授)「住職にとっても檀家にとっても、ありがたいアイデアですね。日本の情報コミュニケーション技術は世界最高水準だが、活用の仕方に課題があるといわれていました。こうした工夫はこれからも大切ですね」
高齢化社会で遠方に行けないという人はこれからも増える。ほかにも(1)供花や墓の様子を撮影し葉書きやメールで送る(2)石材店が清掃、墓石のチェックをして焼香し写真や動画で報告書を送る(3)体が不自由な人に同行、送迎する、といったサービスもあるそうだ。