2020年の東京オリンピックは7月24日が開会で、5年後の今ごろはさまざまな競技が真っ最中だ。その東京は猛暑日続きで観測史上の連続記録を更新している。オリンピックは大丈夫なのか。炎天下の路上を走るマラソンや競歩は危険ではないのか。
棄権者続出でレースにならず
東京五輪のスケジュールの見ると、7月30日にゴルフ、31日に陸上トラック競技、8月2日に女子マラソン、9日に男子マラソンが行われる。今年の最高気温をあてはめると、開会式33.9度、女子マラソン35.1度、男子マラソンは予想では32.0度だ。
元マラソン選手の千葉真子さんは「マラソンは適温が10~13度といわれる冬のスポーツです。北海道でやった方がいいという案が出ているぐらい。とくに外国人選手は湿度に慣れていないため、棄権者が出るのではないでしょうか」という。
コメンテーターの玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「ラグビーも冬のスポーツ、夏は山で練習し試合はありません。35度の炎天下での試合はムチャですよ」
8月8日に開会式のあった2008年の北京五輪は、夜8時以降の開会式だったにもかかわらず、観客570人が熱中症で倒れ病院に搬送されたという。
なぜ真夏に開催するのか?
なぜオリンピックが真夏に開催されるようになったのか。IOC(国際オリンピック委員会)の大きな収入源になっているテレビの放映権料に原因があるという。最も金を出しているアメリカが、野球のワールドシリーズ(10月)、バスケのNBA開幕(10月)、アメフトのNFL開幕(9月)などの国内にビックイベントのない8月開催を要求するので真夏の開催になっている。
暑さ対策として、マラソンは午前7時半のスタートが予定されているほか、マラソンコースを遮熱・保水性の高いアスファルトにする案が検討されている。これだと地表の温度を8度下げることができる。加えて移動式の鉢植えで緑化し霧を吹きかけるなども検討されているという。