新潟・村上市の板垣一徳議長(72)と長男(48)が無許可でツキノワグマ5頭を飼育し、動物愛護法違反(特定動物の無許可飼養)の疑いで書類送検された。保健所から法律違反を指摘されたが対処しなかった。「申し訳ないと思っていますよ。国の法律を破ったわけですから責任を感じています」と言いながら、許可が必要だという法律を知らなかったと言い訳した。
動物愛護法違反(特定動物の無許可飼養)で書類送検
4年前、地元住民が捕獲した子グマ3頭を板垣氏のところに持ち込み、「死ぬか生きるかという子グマを持ってきた」ので飼うことになった。板垣氏はイノシシ用のオリを持っていた。今年(2015年)4月、飼っていたクマから2頭の子グマが生まれ5頭になったという。
そこで保健所に相談したところ、県知事の許可を得ていない飼育は法律違反であることを指摘されたが、そのまま必要な許可を取らなかった。議長は「法律違反が分かった時にすぐ保健所に許可願いを出せばよかった。それをしなかったことを悔やんでいます」というが、市議会議長の立場でこの言い訳は通らない。
動物園は引き取れず、山にも帰せない
司会の羽鳥慎一「悪意がなかったことは分かりますが、違法と知って手続きを取らなかったのはちょっとまずい」
青木理(ジャーナリスト)「指摘されたのに許可を取らなかったのはちょっと軽率ですよ。まして市議会トップが法律違反では言い訳はできない」
生まれたばかりの子グマ2頭は専門の施設に引き取られることが決まった。おとなの3頭は動物園に引き取ってもらったり、山に帰すのは不可能という。動物園に入れるとケンカになるし、山に帰しても人に慣れたクマは人里に戻ってしまうからだ。議長が飼い続ける方向で、許可を得るための安全なオリに改築中という。