栃木・日光の「杉並木」が大変なことになっていた。おととい2日(2015年8月)午後に襲った豪雨と突風で、樹齢390年といわれる並木のうち20本以上が倒れ、なかには幹が裂けているものもある。原因は風だけではなかった。
リポーターの阿部祐二がちょうどその時間、別の取材に向かうため栃木県内を車で走っていた。午後3時ころワイパーも効かないほどの雨が叩きつけ、気温が急に下がってヒョウも降った。
わずか10分ほどの間に根元からボッキリ
杉並木は世界遺産の東照宮への参道にあり、徳川家康を祀って作られたのだから、江戸時代と明治100年でざっと390年になる。1万2500本は特別天然記念物と特別史跡に指定されている。二重の指定は他にない。教科書にも載っており、修学旅行でも必ず通る名所だ。
それがなんとも無惨なことになっていた。阿部は必要もないのにヘルメットをかぶって倒れた並木を見せて歩いた。直径1メートル以上もありそうな巨木が、根元や少し上のところでボッキリ折れていてる。折れるというより裂けたといった方がいいようなものもある。
阿部は「倒れた方向はみな同じ」と伝える。裂けた口はなんとなく黒っぽい。それらがみな並木道をまたいで倒れているから、向こうがまったく見通せない。付近の住民に聞くと、風が吹いたのはわずか10分ほどだったが、雷をともなって相当なものだったという。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト