1度ウソをつくと次々拡大する不正
「まさに組織的でしたね]とタメ息をついた国谷裕子キャスターに、東京大大学院の澤邊紀生教授(企業会計専門)は「おそらく東芝だけの問題ではない」と次のように話した。「報告書の中身を見ると、日本の優良企業であればあるほど、トップが会計、あるいは利益について間違った考えを持つと、こういったことが起きるし、起きてもおかしくないと思いますね」
国谷「なぜトップが間違った考えをしてしまったのでしょうか」
澤邊教授は「一番の間違いは、利益は会計操作でどうにでもできると思ってしまったことです。というのも、利益は会社、社長にとって成績表。自ら書き直していったんウソをつき始めると、次々重ねていかざるを得なくなるんです。東芝はそれが長年続いた」
経済栄えて国亡ぶという話がある。高度経済成長の果てに咲いたあの仇花のようなバブル経済の崩壊はその一つかもしれない。あれから20年以上が過ぎてもデフレ経済からの脱却ができていないなかで、他の優良企業に同様の問題があってもおかしくない。
モンブラン
*NHKクローズアップ現代(2015年7月29日放送「東芝 不正会計の衝撃~問われる日本の企業風土~」)