またも政務調査費の私的流用である。大阪市の伊藤良夏市議(大阪維新の会)が車のローンを政務調査費から払っていたことがわかり、謝罪して返金した。モデル出身で「美人すぎる」と話題になり、クリーンなイメージが売りだっただけに、みな呆れている。
「母がリース契約とローン契約間違えたんです」
公式サイトで伊藤市議は「政治家って悪党というイメージがあったんです。自分がなって給料下げたろ、そういう気持ちやったんです」と大阪弁で話している。維新大阪市議団の中でもひときわ異彩をはなっていた。
ところが、その当人が車のローンの半分、約80万円を政務調査費から2年にわたって払っていた。議員報酬は自分の金だが、政務調査費は政務に必要な経費だから公費だ。むろんマイカーの購入は認められていない。
伊藤市議によると、母親に契約をまかせたところ、政務活動費で認められるリース契約と、認められないローン契約を間違えたのだという。たしかに政務調査費の支出明細では「自動車リース費用」となっていた。
事実が開らかになって、大阪維新の会は「(伊藤議員の)政務調査費及び政務活動費に関して、計上誤りがございましたので、訂正し返金などの処理をさせて頂きました」と書面で経過を明らかにした。伊藤市議は24日(2015年7月)、合計80万8450円を市に返還した。
パリコレのモデルから橋下徹チルドレン
と、ここまでならまだ「認識不足」で済んだかもしれないが、車種がいけなかった。最高級クラスの「レクサス」。最上級車種だと1500万円もする。「政治の勉強もしたことのない私を選んでくださった。期待にこたえるよう失敗を恐れず頑張っている姿を見せ続けたいなと思っています」(ホームページ)というのだが、この失敗はまずい。
大阪市の担当者は「資産の形成になるような支出は認められませんが、車種の制限はありません。(有権者に)理解いただけるかどうか、議員さんの判断になります」と説明している。大阪市民は厳しい。「いい車でんなぁ」「公私混同は許せない」「議員てもうかんねんなぁ」
事務所からは「今後は市民のご理解をいただける車種に替えたいと思っています」という回答があった。
佐藤市議は21歳でモデルになり、パリコレにも出たほか、CMなどでも活躍した。政治にまったく関わりがなかったが、橋下徹大阪市長の「大阪を変えよう」というスピーチを聞いて、「私も一緒に変えたいと思った」という。11年4月に初当選して、現在2期目だ。
大阪市議は報酬の約1350万円と政務活動費約600万円が支払われている。「下げたる!」の公約は当選したら忘れてしまったか?
司会の小倉智昭は「これまで『美人議員』というと身を乗り出して見るんですけど、期待を裏切られることが多かったんですが、この方はホントにきれいですよね」(笑い)と話しを降ったが、リポーターの田中良幸はニコリともせず、「維新の会が政務活動費を公開しようと調べていて明らかになったんです。報道各社も送られて来た文書で知りました」
小倉「何が問題なの?」
田中「リースとローンを間違えていたこと」
木暮太一(経済ジャーナリスト)「レクサスかどうかはあまり関係がないと思います。それより、意図的だったのかどうか。本人の口から聞きたいですね」
橋口いくよ(作家)「美人だから話題になって、普通の市議だったら話題にならないのかなぁ」(爆笑)