文部科学省の文化審議会はきのう28日(2015年7月)、2017年の世界遺産登録を目指す候補地として、「宗像・沖の島と関連遺産群」(福岡県)を推薦した。沖ノ島は「神宿る島」と呼ばれ、古代の祭祀跡が手つかずで残る。ただ、今も守られている女人禁制、禊(みそぎ)などの掟と、観光客の扱いをどうするか、ややこしい話になる可能性もある。
古代から続く大規模な祭祀
遺産群は宗像市にある宗像大社を中心に、大島にある中津宮、沖ノ島の沖津宮と古墳群からなる。古代の朝鮮、中国との交流の安全祈願など大規模な祭祀が行われ、祭祀跡からは銅鏡など8万点が出土して、すべて国宝に指定されている。
沖ノ島は周囲約4キロの小島で、上陸できるのは神職のみ。女人は禁制、男性も年に1度の祭のときに禊をして上陸できるだけだ。一木一草たりとも持ち 出し禁止である。普段は宗像大社の神職が禊などをする信仰の場となっている。古代の遺跡と掟が生きている世界でも珍しい例だ。
福岡県の小川洋知事は「掟を守っていくのが基本。一方で遺産の価値を皆さんに知ってもらいたい」という。その両立は可能なのか。。
司会の小倉智昭「沖ノ島のこと知らないんですが、深澤さんがくわしい」
コメンテーターの深澤真紀(コラムニスト)「日本の離島と古代史と神道が好きなので、沖ノ島はあこがれですよ。すごいですよ。ロマンにあふれてます」
3D映像による上陸体験、離れた島から遥拝
森本さやかアナ「登録されると観光客も行きたくなるけど、掟は守らないといけないでしょうね」
小倉「禊をして」
森本「しかし女性は入れませんから、小川知事は3D映像による上陸体験とか、大島から遥拝するとか工夫が必要になると言っています」
小倉「簡単に近寄れない世界遺産はあまりないだろうしね」
深澤「世界的にも変わっていますが、海の正倉院といわれるほど歴史がそのまま残っているところなので、何とか盛り上げたいですね」
小倉「文化遺産というと、すぐ観光客となる」
むしろこれまでは、世界遺産の趣旨を勘違いした地元自治体や観光業者が、すぐ商売につなげようとする動きがひどすぎたのではないか。
ユネスコが調査に来るにしても、女性がいればたちまち「女人禁制」で拒否される。さて何がおこることやら。政府は閣議了承を経て来年2月までに正式推薦書を出す。