中高年男性がスマホ盗撮に狙われているのだという。司会の夏目三久も「盗撮といえば有名人か若い女性が狙われるイメージですが、なぜ中高年の男性が被害者となっているのでしょう」と首をかしげる。
「あさチャン!」がイメージ映像を流した。通勤電車の中で酔ってだらしなく眠りこける中年男性に若い女性がスマホをかざし盗撮している。そして、「このおっさん 超キモいんだけど」という中傷文言を添えてインターネットの投稿サイトに送信した。
ターゲットにされる薄毛、太った男性、酔っ払い
こうした中傷投稿は女性仲間で面白おかしく話題にしようという狙いが多いようで、ターゲットになるのは薄毛や太った男性、正体を失くして寝入っている男性などだという。東京・渋谷で若い女性らに聞くと、「酔っぱらっている人とかを投稿サイトに載っているのはよく見る」「(電車で)ハゲのおじさんが4人並んでいるのが珍しかったみたいで、(友だちが)撮って載せたのを見ました」なんて平気で話している。
一方、東京・新橋で聞いた中年サラリーマンたちは、「自分の娘よりも若いのに撮られたら気分悪いよな、悲しい」「それを娘が見たときどう思われるかというのが切ない」「それってひどいね、ネットおやじ狩りみたい」
しかし、笑い話では済まなくなるケースも出ている。
「超ハゲ、キモいからとりあえずアップしとく」
写真とともに中傷コメントを投稿した女性がネット上で激しい批判を浴び、炎上したあげくに、氏名、職業、出身校までネット上にさらされたのだ。
無断撮影、不許可公開、中傷コメント・・・名誉棄損で損害賠償
スマホで気軽に撮影する風潮が背景にあるのだろうが、これは間違いなく肖像権の侵害で、場合によっては名誉棄損に当たる。野村修也弁護士(中央大学法科大学院教授)は「中高年のために怒りを込めて」と次のように解説した。
「肖像権の侵害は憲法13条の幸福追求権を根拠にしています。相手に無断で撮影するだけでも侵害行為になり、また撮影を許可されているからといって公表を許可されたわけではなく、無断で公表すれば侵害行為になります。ネットで名誉を傷つけるコメントを公表すれば名誉棄損になる場合があり、損害賠償の対象になるので注意して欲しいですね」
無礼な投稿者たちの名前や顔写真はどんどん公開してもいいんじゃないか。