「安保法制」安倍首相のスケジュール通り?反対世論どんなに強くても「60日ルール」で蹴散らし

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

防衛相元文官「アメリカの要求を断りきれなくなる」

   一方、合憲の意見は多くが「安全保障環境の変化」をあげ、「政府見解を変えてはいけないというルールはない」「憲法に禁止規定はない」などだった。が政府見解を支えるのは国際大学の北岡伸一学長だ。安倍首相の有識者懇の座長代理として昨年(2014年)、集団的自衛権行使容認の提言をしている。「冷戦下の 1954年、自衛のためなら合憲として自衛隊を作った。あれに比べたら今回の解釈変更は小さいものだ」という。

   アメリカのアーミテージ元国務副長官はストレートだった。「長年、集団的自衛権を容認しない限り日米韓の協力は難しくなると指摘し続けてきた。安倍首相は正しい判断をしている」と言い切る。

   防衛省関係者でも意見は微妙に分かれる。元統合幕僚長の齋藤隆氏は「タコツボで騒ぎが過ぎるのを待つのではだめ。脱皮しないと。日米の連携を深めれば、冒険主義者を抑えられる」とまさに武官の発想だ。文官だった柳澤協二・元官房副長官補は「アメリカの要求を断りきれなくなる。 (行使の)判断基準があいまいで、政府判断で何でもできる」と懸念する。

   この問題を取材して来たNHK政治部の田中泰臣記者(防衛省担当)は、政府の解釈について、「法案で可能な自衛権行使ならぎりぎり憲法の範囲内だとい う」といった。憲法論議でよくある本末転倒論ではないか。しかし、彼は気付いていないようだった。

   安倍首相は第1次内閣のわずかの間に国民投票法に手をつけたのを多くの人は忘れてしまった。天の配剤で第2次内閣、アベノミクスでの衆院選大勝が、彼の本来の目標に道を開いたことにメディアが気付くのが遅かったと思えてならない。安倍氏はあの顔に似合わず入念なのだ。

ヤンヤン

   *NHKクローズアップ現代(2015年7月23日放送「検証『安保法案』いま何を問うべきか」)

姉妹サイト