こんな時代だからこそ必要な『大知性』鶴見俊介さん死去!残された我々は・・・
評論家で哲学者の鶴見俊輔さんが亡くなった。93歳だった。母方の祖父は政治家の後藤新平。38年に渡米してハーバード大学哲学科に入学したが、日米開戦後の42年3月に無政府主義者の容疑で逮捕され、戦時交換船で帰国した。
戦後、丸山真男らと『思想の科学』を創刊。60年5月、新日米安全保障条約強行採決に抗議して東京工大を辞職し、翌年、同志社大教授となる。大学紛争下の70年に辞職。作家の小田実らと米国のベトナム戦争に反対する「ベ平連」(ベトナムに平和を!市民連合)運動を展開した。
私の周りには鶴見さんに私淑する友人が多くいる。亡くなったライターの中川六平、アメリカ国籍を取って向こうに住んでいる室謙二。六平さんは鶴見さんの「言葉」をまとめる本を書いている途中で死んでしまった。室さんは鶴見さんのビデオをいくつも持っているはずだ。二人とも「ベ平連」つながりである。今のような息苦しい時代にこそ鶴見さんのような人が必要なのに、次々に世を去って行く。残されたわれわれでできることをやらなければ、あの世で鶴見さんたちに顔向けができない。