下流老人・・・はっきり言えば貧乏老人!『上流』と比べ死亡率3・5倍、うつ病5倍
『週刊朝日』に高齢者を4年間追跡調査をした2012年の研究で、生活保護受けている、いわば下流老人は、年収250万円以上の上流老人と比べて最大で3.5倍も死亡率が高かったという記事が載っている。下流といういい方が嫌だ。ハッキリ貧乏人といやあいいのに。
がんになるリスクも下流老人のほうが高いという調査もあるそうだし、うつ状態にも陥りやすいという。そりゃそうだろう。カネがないから医者にも行けず毎年人間ドックなんて夢のまた夢。高齢者約3万3000人を対象にした調査では、65~69歳では最も低所得のグループは最も高所得のグループと比べて平均で5倍、女性で4.1倍うつ状態の人が多かったという。
<1980年代中盤以降、日本人の所得格差は広がっており、経済協力開発機構(OECD)加盟の先進国のうち高いレベルにある。日本人の約16%が貧困状態にあると言われ、中でも66歳以上の下流老人は約19%にのぼる>
週刊朝日は「健康格差を生き抜くための6つの心がけ」というのを挙げている。「周囲の人とのつながりをつくる」「家族、職場、地域など3つ以上のつながりをつくる」「なるべく多様な人とゆるくつながる」「ストレスと上手につきあう」「健康に悪い生活習慣を改める」「健康を損なうのは自分が悪いと自己責任で片付けない」である。
上流の下、下流の上である私は、おかげさまでここまでうつにもならずどうにか生きてきた。今、中野孝次の『清貧の思想』を読み返している。浅草「並木」の蕎麦を喰いたい、人形町「喜寿司」の寿司を食いたいという欲望と懸命に闘いながら。