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なかなか味わい深い「山口組」組員たちの俳句・短歌「刑務所にいる仲間に一句」

   このところ週刊誌は軒並み「夏枯れ」である。そこで私好みの『アサヒ芸能』の「菱の侠(おとこ)たちが『短歌・俳句』に込めた意地と哀愁」を取り上げる。

   司忍山口組六代目の肝いりで創刊された山口組の機関誌(いわば社内報)「山口組新報」に掲載された、傘下組員からの投稿による俳句や短歌を紹介している。

「厳寒に 堪えて芽を出す 蕗の薹」
「我が道を 行けよと燃ゆる 吾亦紅」

   警察の包囲網が狭まる中、組員たちの苦悩が出ていてジンとくる?

「刻まれし 墓石に思う 烈人の 春に吹かれし 一筋の道」
「秋晴れに 真っ直ぐ咲いた彼岸花 我生き様も かくありたけり」

   次の句は刑務所に入っている仲間を思って詠んだものだという。

「彼の為に 残したるかの 柿ひとつ」

   芥川賞作家・又吉直樹が俳人・堀本裕樹に俳句について教えを請う「芸人と俳人」(集英社)がおもしろい。いくつか又吉の句も載っているが、この人の感性のよさを窺わせる。

「銀杏をポッケに入れた報い」
「激情や 栞の如き 夜這星」
「夏の蝶はははと笑い飛びにけり」

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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