凍結保存していた精子がいつの間にか捨てられる『事件』が大阪で起きた。北村哲也さん(30)は12年前に放射線治療を受けるということになり、大阪市立総合医療センターで精子を採取し、将来のために凍結保存をした。
ところが、医療センターは3年前、北村さんに「担当医師が異動になったため、1年後までに精子を別の病院に移してほしい」と連絡してきた。北村さんが「すぐに移管先を見つけるのは難しい」と答えると、医師は「僕の名前で管理するし、100%破棄しない」と言ったという。
北村さんは今年1月(2015年)に結婚し、ようやく精子の移管先を見つけたため医療センターに連絡すると、すでに精子の凍結保存は中止されていた。「保存期間を過ぎていることは知っていましたが、病院から『保存を中止する』という連絡は受けていません」と怒る。
いつまでどう保管するか・・・国の定めなく病院でバラバラ
これに対し、病院側は保存中止は伝えたとし、「了解したという同意書もとっておくべきだったなと。説明不足やったなとは思っていますが、謝罪ということになるという認識は持っていません」と反論している。
北村さんはきのう23日(2015年7月)、経緯の調査・説明とともに慰謝料160万円を求める調停を裁判所に申し立てた。
小松靖アナ「この問題で国が定めたルールはなく、日本産婦人科学会などがガイドラインを定めています。しかし、実際は病院次第だそうで、たとえば西日本のある病院では、保管料は月1000円、保存期間も本人が決められますが、期間満了の通知は出さないそうです。都内の別の病院では、保管料は年間1万1664円で、期間が迫ると1か月前に意思確認の手紙を送付するなどとなっています」
吉永みちこ(作家)「単にモノを預けているわけじゃなく、命の元を預けているのに、そういう認識が凄く希薄な感じがすますね」
長嶋一茂(スポーツプロデューサー)「男性は歳も関係してくるし、社会に出てストレスも関係してくるから、元気なうちに凍結保存をして、その後に結婚ということもあるわけです。結婚相手の方ともそういう話をしていたとすれば、これは病院の落ち度ですよ」
ビレッジマン