『芥川賞作家』の又吉直樹(35)はきのう23日(2015年7月)、コーヒー飲料のイベントに和服姿で現れたが、記者たちの質問はイベントそっちのけで、「芥川賞後」に集中した。「何か変わったことはありますか」と聞かれて、こう笑わせた。
「おめでとうと言われすぎて自意識過剰になってもうて、コンビニで『いらっしゃいませ』っていわれてるのに、ありがとうございますなんていったりして・・・。いってねーよって顔されたりしてます。現場とかでも、言ってもらえるもんや思てるんで、『おはようございます』といった人にありがとうございます」
母親が運んできてくれたアイス珈琲
受賞第1作となるエッセーを朗読してみせたが、印刷されているのは味の素ゼネラルフーヅ(AGF)の「ブレンディ ボトルコーヒー9本セット」。ペットボトルの飾りラップにそれぞれ違うエッセーが、「深い珈琲エッセイ 又吉直樹作」として印刷されている。
「懐かしい珈琲カップで出された」というエッセーを自ら朗読した。「18歳で実家を出て、東京の街で暮らしはじめた」という書き出しだ。芸人にはなれたが、収入が少なくてなかなか帰省できない。やっと帰省したとき、実家は引っ越していて、「僕」はお客さま扱い。そのとき母が運んで来たアイス珈琲は、Jリーグのマスコットキャラが描かれた懐かしいカップだった。「ようやく実家を感じることができた」と結んでいる。
司会の小倉智昭「ボトルに書けるほどの短いエッセーですが、面白い」
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト