新国立競技場問題で関係者が責任を逃げ回っている。きのう22日(2015年7月)、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は「(新国立競技場問題で)私は大変迷惑している。組織委員会が造るわけではない。われわれは利用させていただく立場で、やるのは政府」としたうえで、責任の所在について次のように語った。
「日本スポーツ振興センター(JSC)や文科省が扱う素材ではなかった。今までの慣例上こうなっていった。どこに責任があるかは難しい問題。全体で負わなきゃならないと思う」
遠藤利明五輪相も「(責任は)政府全体としてあると思うが、責任がどうのこうのよりも、やっぱり皆で力を合わせていろんな皆さんの声を聞いて決断をしていきたい」と、これまた「俺は関係ないよ」と言わんばかりだった。
すでにドブに捨てられて59億円の税金
新国立はすでにデザインや設計などで約59億円は支払われていて、白紙に戻しても大半は戻らないことをJSCが明らかにしている。59億円が無駄カネになってしまったことについて、TBS解説委員の牧嶋博子はこういう。
「公共事業によるハコモノ建設は見通しの甘さをたびたび指摘されてきました。すべて税金ですよ。本当に誰も責任を取らないでいいものでしょうか」
責任の所在ははっきりしている。森会長の示した通り、施工主のJSCとJSCを所管する文科省だ。責任をうやむやにしての幕引きとは、税金を納めている国民をバカにしてはいまいか。
文
モンブラン