東芝の不正会計問題で第三者委員会が調査の報告書をまとめ、7年間で1518億円に上る利益水増しがあったと認定した。その手法は利益を前倒しで計上したり、費用や損失を先送りするものだった。
大西康之・日経ビジネス編集委員はこう解説する。「たとえば、原材料をいつ買っていつお金を払ったか。製品を売った先からいつお金をもらったか。厳密に何月何日というのは外部からはそんなにわからないので、そういうところを細かく操作していけば、(計上する)期をずらすのはわりと簡単にできるんです。今期は苦しいからちょっと頑張れよみたいな」
計上のタイミングをずらすことは、必ずしも違法とは言えないそうだ。
計上のタイミングずらしは違法じゃない?
司会の羽鳥慎一「今回は粉飾ではなく不正会計、不適切会計と言われていますが、違いは何なんですか」
大西編集委員「いまの段階では『粉飾』ではありません。それは、違法行為があったと確定しているわけではないからです。違法だとわかるまでは粉飾とは言いません。『不適切』と『不正』はほぼ一緒で、報告書を読む限り、不正ではあるなという印象を受けますね」