東芝はきのう21日(2015年7月)、会社ぐるみの利益の水増し問題で歴代3社長が辞任したと発表した。田中久雄社長は記者会見で「140年の歴史の中で最大ともいえるブランドイメージの毀損と認識している」と述べた。
水増し問題の手法は、例えばある年度の利益が目標に達成しない場合は、その次の期に見込まれる利益を前倒し、損失は次の期に先送りして目先の利益を見せかけるというものだ。水増しは2005年6月から西田厚総、佐々木則夫、田中社長まで約7年にわたり総額1562億円にも上る。
「死に物狂いでやれ」「ダメ。やり直し」「黒字にできないならやめる」
背景には利益拡大を要求する意味の「チャレンジ」という言葉があり、経営陣の行き過ぎたプレッシャーがあった。3社長はただただ利益を上げろと社内を叱咤した。
西田「営業利益+50億円のチャレンジをお願いしたい。利益は+100億円改善がミニマム。死に物狂いでやってくれ」
とくにひどかったといわれる佐々木「なったくダメ。やり直し」。決算の3日前になっても「営業利益120億円改善するよう」と求めることもあった。
田中は「(映像事業について)テレビはなんだ。この体たらく。黒字にできないのならやめる」
外部の第三者委員会は「上司に逆らえない企業風土が存在していた」と指摘している。みんながうらやむ日本を代表する大企業にそんな社風があったとは。
決算粉飾で刑事責任問われないのか
司会の加藤浩次「僕、不思議なんですが、これは粉飾決算ではないんですか」
宮崎哲弥(評論家)「証券取引等監視委員会によれば、チャレンジといっても、はっきりと不正をやるという意図や指示は見られない、またまったく架空の利益を見せかけたのではないということのようです」
加藤「納得できません」
ともあれ、このダメージはいつ回復するのか。
一ツ石