「KBG84」ってご存知か。スパイ組織じゃないよ。沖縄にできたアイドルグループだ。平均年齢84歳、最高齢97歳というばあちゃんアイドルなのである。「天国にいちばん近い」はわかるが、「世界が注目」とは大きく出たものだ。
美しい沖縄の海をバックに、芝生に勢揃いしたばあちゃんたちはみな沖縄のつむぎ姿に赤いはちまき(正しくは何というんだろ?)。蛇皮線の伴奏で静かに歌っていたかと思うと、とつぜんアップテンポで手拍子で踊り出す。
「イルカが来ると宙返り。Come on and Dance. And One More Time」
80歳以下は研究生。掟は「恋愛禁止」
フランスの通信社AFPは「まるでポストカードのような風景」と沖縄の砂浜を紹介して、彼女たちを「もしかしたらスパイス・ガールズになりうるかもしれない地元合唱団。日本のアイドルとして認められている」と紹介した。
イギリスや台湾のテレビ局も「疲れ知らずのガール・パワーで、高齢をものともしない」(BBC)、「注目度はAKB48を超える」(台湾・中華TV)と映像を流し、「スーパーおばあちゃん」「元気が伝わってくる」「楽しげな表情は若者をこえる」などの反響が返ってきているという。
沖縄の八重山諸島にある小浜島で暮らす「おばあ」たちで、「小浜島 ばあちゃん 合唱団」でKBG。総監督の山城ハルさん(97)はかくしゃくとしてる。80歳にならないと正規のメンバーになれない。80歳以下は「研究生」で、正規のメンバーになるときはウエディングドレスを着るセレモニーがある。掟は「恋愛禁止」だ。
約20年前、近所の井戸端会議から合唱団ができた。シンガーソングライターのつちだきくおさん(57)が指導してアイドルグループ化した。先月13日(2015年6月)には東京・品川で公演を行い、800人以上を動員して、踊り歌い続ける姿が大きな感動を与えた。
10月に東京公演
小浜島は石垣島のわきにある小島で、人口はわずか650人。住民の5人に1人が65歳以上という高齢の島だ。練習風景をのぞくと、そろいの赤いポロシャツでみなイスにかけたまま振付けや歌をやっている。悩みは英語の歌詞をすぐ忘れることだという。そこで、「カタカナ」が大いに活用される。みんな元気だ。「若返る」「100まで生きるよ」
今月18日には小浜島でコンサートをやった。舞台と客席一体の踊りもあった。観客は口々に「楽しい」「あんな風に歳をとりたい」「感激しました。目指すものができました」という。10月に東京で新たな公演が決まった。
司会の小倉智昭「ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブがあったけど、それに近いものがあるね」
デーブ・スペクター(テレビプロデューサー)「オリンピックの開会式に出たらいい」