お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹(35)が芥川賞を受賞した。「なんかウソみたいな感じです。似合っていますかね」と緊張気味に語った。お笑い芸人の受賞は、芥川賞80年の歴史で初めて。受賞作「花火」はお笑い芸人が先輩とのやり取りの中で人生を見つめるストーリーだ。
芸人と作家で続ける。コントと同じで自分がやりたいことで人を楽しませる
「驚いた。うれしかったです。自信はなかったけど、(発表まで)こんなに緊張したことはないから、どこかに期待していた部分もあったかもしれないですね」「受賞と聞いたときは手がちょっと震えました。喜びはむちゃくちゃある」
審査委員の山田詠美さんは「何か強いものを感じた。先輩芸人との関係がよく出ていた」と評する。
文芸評論家の栗原裕一郎さんは「純文学の王道といわれるリアリズムだと思います。読んでおもしろいのが一番大きい。カンフル剤ですね。純文学はいま読者がむしろ減っている世界なので」と、なにやら意味深長なコメントだ。
これまで2000冊以上を読破してきたという又吉は、芥川龍之介と太宰治がとくに好きだというが、「芥川は僕みたいな髪型は嫌いなのではないかな」。太宰については、写真を携帯の待ち受け画面にするほどだ。
これからも芸人として活動しながら作家も続けるという。「ホンマ、コントと同じで、自分がやりたいことで人を楽しませることをやっていきます」
司会の加藤浩次「とってほしいとは思っていたけど、本当にとるとはすごいよ」
文
あっちゃん| 似顔絵 池田マコト